「インターネットとスマートフォンが、私たちの生活を変えた!」
どこでも目にするこのようなフレーズですが、単にいつでもメールをチェックできたり、映画やコンサートのチケットを簡単に購入できたり、待ち合わせや目的地へのナビが簡単になった……といった、生活レベルでの恩恵だけが、スマートフォンによる生活の変化ではありません。
実はインターネットとスマートフォンの登場で、消費者の「消費意識そのもの」にも大きな変化が生じているのをご存知でしょうか?それはもしかしたら“変化”という小さなものではないかもしれません。蒸気機関の開発で鉄道が発明されたように、まさに「革命」と言っても過言ではないくらいの変化が消費者の内側に起きてしまっているのです。
そんな新しい時代の消費者たちから選ばれるためには、これまでのようなマーケティングの意識からパラダイム・シフトする必要があります。
今回は「一人十色」「定性調査」をキーワードに、それらをお伝えしていきます。
販売促進は「十人一色」から「一人十色」の時代へ

「十人十色」という言葉があります。「好み・考え・性格などが、人によってそれぞれ違うこと」を指す言葉です。
消費者が商品を選ぶとき、かつてはこの考え方が前提でした。そしてそれ以前には、「十人一色」の時代がありました。
十人一色とは、文字通り「みんなで同じものを買う」という意識です。売り手側が「化粧品はこれがいいんですよ」と言えば、みんながそれを信じて買っていた。情報そのものが少なく、他と比較されることがほとんどなかった時代では、その販促が通用していました。
次に、十人十色の時代になりました。
「あの人はこのメーカーを推しているけど、私はこれ!!」
というように、競合他社や情報が増えることによって、みんなそれぞれに好みの“推し”を見つけ、それが広く受け入れられる時代になったのです。ですが、インターネットとスマートフォンの普及によって、ここにさらなる変化が生じました。それが「一人十色」の時代です。
現代は、一人の人が膨大な量の情報に触れられるようになりました。何かを買おうと思ってもすぐに決めるのではなく、他人のレビューを参考にしたり、同類の商品と比較して選択します。さらに、何か一つの“推し”を見つけても、「これはこれでいいけど、あれも捨てがたいから」と一人で複数の商品をチョイスできるようになりました。
一人十色の時代に必要なマーケティング1:消費者の基準

では、一人十色の時代に必要なマーケティングとは何でしょう?
二つの視点で見ていきます。
まずは「消費者の基準」の視点です。
一人十色の時代の消費者は、メリットよりもベネフィットを基準に商品を選びます。
洗濯洗剤で例えてみます。
メリット=綺麗になる・部屋干しでも臭くない・いい匂いがずっと続く
など、これら上記のものが「メリット=価値・特長」です。
ですが今の時代、上記のようなメリットはよほど変なものを買わない限り、得られて当たり前のことだと思いませんか?
そうではなく、一人十色の消費者たちは、メリットは当たり前で、その上で「ベネフィット=自分に最も利益になるもの」で商品を選びます。そしてここがポイントなのですが、ベネフィットはなかなか明言しにくいのです。
上記の例に倣うと、
「綺麗になるけど、もっと発色がいい感じになる」
「部屋干しで臭くならないだけでなく、いい匂いも残る」
「いい匂いだけど、ちょっと私には強すぎる(もう少し優しい香りがいい)」
「どちらかというと甘い香りより爽やかなほうがいい」といったようなことです。
読んでいただければわかるとおり、これらはとても感覚的なものです。
「“いい感じ”って何?」
「“強すぎる”ってどのくらい抑えればいいの?」
「“爽やか”って、具体的にどんな?」
その感覚は正しいのです。よくわからない、主観的であいまいな感覚が、今の消費者の選ぶ基準です。それが、消費者のベネフィットにつながっているのです。
一人十色の時代に必要なマーケティング2:定性調査と定量調査

一人十色の時代に必要なマーケティングのもう一つの視点は、「定性調査の重要性」です。
調査には
「定量調査」
と
「定性調査」
があります。
例えば定量調査では、「このページを●秒見たから興味がある」「離脱率が●%だからこれは良い」といった数値的なことを調査しますが、一人十色のマーケティングでは、残念ながらこれでは不充分です。
というのも、消費者の基準が“あいまいで主観的なもの”になってきている現代では、“何となく”の部分を抽出する必要があるからです。そこに消費者の選ぶ決め手があり、ニーズが隠されているのです。もちろん、定量調査が不要なわけではありません。十人十色から一人十色になった時代では、定性的な変化を見ながら、それによる定量的な変化がどのように起こっているかを見極めていかなければいけないのです。
JPRのリサーチなら、消費者の“何となく”がわかる!

「よし、わかった! じゃあ今すぐ定性調査を始めよう!」
ちょっと待ってください! いきなり始めないで!
確かに必要な定性調査ですが、経験のない人がいきなりやってうまくいくものではありません。
定性調査には、欠かしてはいけない3つの重要なポイントがあります。
- 事前に仮説を立てる必要性
- 目的に沿ったリサーチ
- リサーチ結果の分析と運用
「うちの商品を使った感想を教えてください」と消費者アンケートをしたり、キーワードを頼りにソーシャルリスニングを行ったところで、消費者の声は集まりますが、まとまりのない、ただのデータだけになってしまいます。
それを分析する専門家が必要になるのです。もしも御社にそのような専門家がいるなら、いいでしょう。
もしくは優秀な人材をヘッドハンティングする予定があったり、採用できる目処があるなら、任せてもいいでしょう。
ただ、人材不足が方々で叫ばれる今の世で、理想的な人材はなかなか見つからないものです。
でも、もう一つ手段があります。外注する方法です。
株式会社サウスポーが運営するJPR(Japan Product Research)は、
広告効果の最大化を目指して、定性調査を含めたリサーチを行っています。

専属のコンシェルジュが御社の外部マーケティング部として機能し、その商品を消費者が定性的にどう感じているか。彼らの“何となく”をあぶり出し、隠れたニーズを明確にします。
またリサーチをもとにキャッチコピーの強化、現状の商品の課題分析やリサーチ実施の目的設定、商品を使った人のSNS投稿、消費者エビデンスの収集、さらにその商品が消費者のニーズにかなっていることの認定も行っているので、リサーチの最初から最後まで、包括的にお手伝いします。
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