|プロフィール
氏名:森永 雄太(Morinaga Yuta)
所属:武蔵大学 経営学部 経営学科 教授
研究テーマ:経営学、組織論、経営管理論、組織行動論
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武蔵大学経営学科森永ゼミ:リーダーシップやモチベーションなど、組織行動に関わる内容を学んでいます。
・Twitter:https://mobile.twitter.com/morinagazemi
・Instagram:https://www.instagram.com/morinagazemi/
白石:今回は武蔵大学森永教授ゼミに参加させていただき、私達がやろうとしている事業のコンセプト部分のお話させていただきました。
まずは森永教授との会話をどうぞお楽しみ下さい。
森永教授:ワークファミリーバランスとかコンフリクトの話をする時には、つい時間のコンフリクト、例えば育児も仕事もあると、残業が出来ないとかそういうコンフリクトというのが1番に思いついてしまう訳ですけども、今回イメージされているのはそうではないということですね。時間があっても活用しきれないとか、責任と責任が繰り返される生活の中でストレスが溜まってしまうというような状況を少し解消するようなサービスだと理解しました。
本学の学生を見ていると、在学中も部活と両立している人とか、学外で吹奏楽をずっと続けているという人がいたりします。卒業後も社会人チームに入ったりとか、音楽のサークル入ったりして活動を継続しているという卒業生がいます。そういう既存にあるそういったコミュニティみたいなものと、今回想定されているコミュニティってどこが変わってくるのかなと疑問に思ったのですけれども、どのあたりに違いがあるんですか?
白石:そうですね、既存のもの、僕も社会人サークル入っていますからそれはもちろんなのですが、こちらのターゲットとしてはまだそういったものに参加できなかった、機会があまりなかったという方なんです。あとは先ほども少し申しましたように、そういった中に参加するのはやはり勇気がいりますし、その関係も必要になります。ですから、そういったものに対しての後押しになるものですね。もちろん既存のもので社会人サークルに入っていますとか、例えば地域の楽団に入っていますなど、そういったものであればそのままそちらはそちらで交流して頂ければ良いと思います。
森永教授:そういう意味では私が今イメージしたのはサッカーとか吹奏楽みたいなメジャーな趣味ではなくて、もうちょっとマイナーな所で共通点が見つかって仲間が見つかるとかそういうイメージですかね?
白石:そうですね。やはりサッカーや野球ですと社会人のものがいっぱいありますけども、基本的には参加をする・・・例えばチームに参加して練習をしに行くことが必要になると思うんです。そうなりますと、時間もありますし場所もありますし、その人がそこに行けるか、どれだけの頻度参加できるかそういったものも関係してくると思います。
こちらとしては、SNSでそこを解消して、例えばサークルとかに参加する。その一歩手前の部分で使って頂くというのを想定しています。
例えばSNSに5人のグループがいっぱいあって、その中にサッカーが好き、それも欧州リーグが好きとか、ワールドカップ日本戦とか、そういったグループに入ります。実際に参加する、どこかに行って何かをするまでの一歩手前の部分、ここでその人と誰かしらとが交流をするという部分に着目しています。このサービスを使うことで、日本戦、それも90年代の日本のチームが好きとかそういった所で共通項が見つかるとします。自分が今サッカーのチームに所属していないけれども、同じ思考を持つ人から、「じゃあ今度話あるし飲みに行こうよ」みたいな形から、実際にその人が所属しているサークル・チーム等に招待を受ける。そういった所で入りやすい、入っても最初からその人とは一応の関係が出来ているので、入ってみたけど全然誰とも話せないとか、全然空気が違う事もなく自然な形で繋がりを増やせる、繋がっていけると。そういったイメージがありますね。ここで完結するというよりも、ここで交流したものが次のステップに繋がっていくものにサービスとしてなるようなイメージです。
こちらのサービスのコンセプトとして、「人間関係のステップアップ」というのもあります。今日僕らがここに来て、最初はみなさんとは縁もゆかりもない他人の者でしたが、こういった時間・機会を頂いたことで、顔見知り・・・そこまでにはならないかも知れないですけども、そうやって交流を深める事で、その人のなりっていうのが分かってきます。いわゆる他人から顔見知りに上がっていく。それを繰り返すごとに今度は友人ですとか、友達関係になりますよね。例えばみなさんも大学に入った時に、最初は名前も知らないし、隣に座った同じ大学の学生さんっていうだけだったけれども、こういったゼミを繰り返していく事で、お互いの名前を知り、どういうものが好きで、どういう思考があって、そこからゼミ生、友達、仲間っていう風になっていくかと思います。こちらのサービスとしては、それを含めるようなもの、いわゆる交流をしっかり踏める形にして、サービスとして提供する。そういった形を想定しております。
森永教授:なるほど。私が最初イメージしたものが閉じたネットワークだとすると、もうちょっとオープンで緩いつながりを作るネットワークということでしょうか。そして、その緩いつながりからさらに色んなネットワークに入っていくっていうような、プラットホームとことですよね。なるほど!だいぶ理解できてきました。
お話聞いていて思い出したのは、最近地方創生や活性化の文脈で緩い関係人口を作っていこうという話がありますよね。いきなりそこに住む人を増やしていくっていうのは難しくても、たまにそこを訪れる人とか、少し関わる人を増やしていくみたいな視点を提供するような議論があるのかなと思いました。
生活の中にも、もうちょっと出入りの自由なネットワークを作っていくっていうような視点を持ち、それをだんだん発展させていく事もあり得るっていうのはなるほどなという風に私も感じました。
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上記の内容をまとめると、緩い繋がりのイメージとは「個人→コミュニティ(所属)」において「コミュニティ(所属)」を担うものではなく、「個人→きっかけ(知り合いになった人のコミュニティに誘ってもらい最終的にコミュニティに参加する)→コミュニティ(所属)」の「きっかけ」の部分を担うモノです。
レクリエーション(知り合いになるきっかけ)→共同体クエスト(コミュニティ活動)というイメージと捉えていただければわかりやすいかと思います。
森永教授とのディスカッションが終わったところで、最後に学生の方々を交えてディスカッションし、出てきた意見をまとめます。
学生の方々からはこの様な意見が飛び交いました。
- youtubeのコメントを書く関係は色々と意見や質問に対する返答をくれるが、その時だけの一方通行が多い。関係性が一方通行にならなく、双方にできるのがこのサービスの魅力。
- 共有できる小さいコミュニティがあればそこで友達の代わりにはならないけど、ちょっとリラックスできる場所が出来たら心の余裕にもなるのかなと思って良いなと思いました。
- 時間のとれない社会人もいると思うので、会社が協力してこれを利用したら、サウスポーにとっても良いし、会社にとっても休みも良いし、自分の個人にとっても良いから、そういう休みだけでもなく他にも色んな、会社と一緒にやるからこそできる事もあると思うんでそういった事をやっていければもっと良いサービスになるかなってなりました。
- 会社でこういう事を対応、サービスとかを提供してるってことを自分が入る前に知れたら、自分の趣味に割く時間をこの会社は作ってくれるのかなっていう意味で、このサービスを利用してる会社に好印象とかが持てると思います。
森永教授:こちらのサービスで出来たコミュニティ活動だと休みが取りやすい、みんなから理解されやすいっていう感じの仕組みになると良いかもしれないですね。またライフの部分に対する福利厚生が充実しているとなると、そういう生き方を支援してくれているっていう従業員に対するサインになるかも知れないですね。
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以上が、武蔵大学森永教授ゼミへの参加レポートです。
今後も色々な大学のゼミなどに参加し、これから社会人になる若い世代にも積極的に会ってお話を聞きに行こうかと思います!
以上、白石でした!